第3回コンクール 佳良賞作品


-Sponsered Link-


バターコさん「『びりっかすの神様』を読んで」(岡田淳『びりっかすの神様』 )


 私が『びりっかすの神様』という本と出会ったきっかけは、ネットで8歳の娘に読み聞かせる為の本を探していた時です。タイトルに惹かれたのが選んだ理由です。びりっかすなのに神様だなんて面白いなぁと思いました。

 物語は一人の男の子が4年1組に転入してくるところから始まります。この男の子、木下始は今まで誰も見たことがなかったヨレヨレなスーツを着て背中に羽を生やした小さなおじさんを教室の中で見るのです。なんと、このおじさん、クラスでビリになった人にだけ見えて心の中で会話も出来るという、本当に不思議なおじさんだったのです。

 私はこの本を読んで、人は何の為に頑張るのかについて考えました。1番になりたいから、他人に負けたくないから、ビリは恥ずかしいから?
 どれも違うなと思いました。自分の力を出しきって、本気で何かに挑戦する為に頑張るんだ!と思いました。

 物語の終盤、運動会のクラス対抗リレーで1位をとった始がお母さんに向かって「みんな、本気で走ったんだよ」と言うところがあります。私はここを読んだ時、やっぱり本気で何かを勝ち取る為に頑張るって凄く大事なんだなと思いました。

 最終章を読んだ時は、私はもういい年をした大人なのに泣きました。あの物凄く嫌な先生が、まさかびりっかすだったなんて……。泣いた理由は驚きと、何よりも嬉しかったからです。もうびりっかすにはきっと会えないんだと半ば諦めていたのでまた会えて凄く嬉しかったのです。

 このびりっかすの神様を読んで、私は児童書に対する意識がガラッと変わりました。以前は児童書は子供向けの書物だと思っていました。でも、この本に出会い、大人でも夢中になって読んでしまう、大人でも本気で泣ける、児童書イコール子供向けという自分の考えがいかに幼稚で狭量だったかを知りました。これからはもっと積極的に児童書を読もう!と思いました。

 それと何よりも嬉しい事は、娘と読んだ児童書について感想を言い合える事です。以前なら読書は本当に私一人きりの趣味でしたが、今は感想を言い合える仲間が出来て、こんなに嬉しい事はありません。
 我が読書人生はこれから益々広がっていくという嬉しい予感がします。

(895字)(37歳、女性)


 ●使用図書


※掲載作文の著作権は当コンクール主催者にあります。無断での転用・転載を禁じます。


-Sponsered Link-