第6回コンクール 入選賞作品


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ふきのとう「投球100%」(尾崎世界観『苦汁100%』)


 日記なのに読みやすい。
 日記だから読みやすい。
 クリープハイプのフロントマン、尾崎世界観の日記本。

 彼がやっているバンドの曲を聴いたときは「声が独特だー」ぐらいの感想しかなく、その数年後、本屋で見かけた本「犬も食わない」という尾崎世界観と千早茜さんの共作の内容が面白そうなので読んでみたら、それがとても面白かった。
 男女それぞれの視点、文章での掛け合い。
 その本がきっかけで、数年ぶりにYouTubeでクリープハイプを聴いた。翌日にはアルバムを買いに行って、どっぷりとはまってしまった。 はまるとどんどん知りたくなってしまう。

 それから数ヶ月経って、先日『苦汁100%』を読み終えた。
 日記なので、時間があるときに毎日少しずつ読めるのも良かったし、人間くさくもあったりなかったり。エネルギーのようなものがすごくて、読むのにもエネルギーがいる作品だった。
 くやしい気持ちや、うまく言葉に出来なかったときの心情などが、なぜだかすごく伝わってくる。不器用だけれど器用で、売れたいとか、よいLIVEをしたいとか、毎日の色んな想いがとっても詰まっていて、寝る前に読んだ日には、文章から発せられるボールを受け取るのにエネルギーを使って、朝起きたらすっごくお腹が空いていた。

 ますます尾崎世界観という人に興味が湧いた一冊、そして、私も貪欲に生きていきたいと思える一冊だった。

(575字)(女性)
twitterアカウント:@14fukinotou


 ●使用図書


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