第14回コンクール 結果発表

総評

 第14回コンクールへの多数のご参加、ありがとうございました。

 当コンコールも今回で初回から丸5年を迎えましたが、毎回、様々な図書で、多様な視点・経験から書かれた読書感想文が集まり続けていることを、運営事務局員一同、大変嬉しく思っております。

 (同様のことは繰り返しお伝えしておりますが、)当「大人の読書感想文コンクール」では、使用図書にも、それを基に書かれる読書感想文にも、「こうでなくてはいけない」といったものは存在しません。(存在するのは、「こうであってはいけない」=応募要項に反している、ということのみです)
 どのような本に「特別な何か」を感じるかは当然に人それぞれであり、そもそも本との出会いでさえ決して一律ではありません。そして、皆様にそれぞれの人生経験があるのですから、たとえ同じ本を読んだとしても、そこから得られる読書経験は当然に違ってくるはずです。
 そのため、皆様が書かれた読書感想文も、それぞれに異なっていて当然です。むしろ、そうでなければ「異常」なのです。

 “少なくとも”当コンクールにおける「読書感想文」は、「特定の価値観、特定の倫理」を求めるものではございません。
 「『特定の価値観、特定の倫理』に従った文章を書けないから、自分は読書感想文は書けない」とお考えの方は、ぜひその考えを打ち捨てて、「皆様自身の」読書経験から、「皆様自身の」読書感想文に取り組んでみてください。
 当コンクールは、皆様が読書感想文に取り組むための一助となるような場を、今後も提供し続けられるよう励んで参ります。

 

 さて、今回の入賞作品は6作品となります。

 今回の入賞作品も、それぞれに「違うもの」を内包しており、それが各作品を味わい深い、素晴らしいものにしています。
 「作者自身の」読書経験から書かれた「作者自身の」読書感想文であるからこそ、それを読む者にも、このような味わいが感じられるのです。そして、そのような読書感想文はきっと、著者の読書経験も深めていることでしょう。

 各作品を通じてぜひ、その「違うもの」を感じ、味わい、楽しんでください。


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優秀賞

●ちき瀬「肉子ちゃんはバカだが役に立つ」(西加奈子『漁港の肉子ちゃん』)

●Nodie -ノディエ-「刺青の奴隷となった『娘』、フェティシズムの奴隷となった『私』。全部『男』のせいである。」(谷崎潤一郎『刺青 痴人の愛 麒麟 春琴抄』)

※クリックすると別ウィンドウが開いて入賞作品を読むことができます。
※掲載作文の著作権は当コンクール主催者にあります。無断での転用・転載を禁じます。

 

優良賞

●鷹匠亮「人生の砂時計」(中井由梨子『20歳のソウル』)

●echelon 「半径三メートル内のもの」(ウィリアム・カムクワンバ、ブライアン・ミーラー他『風をつかまえたウィリアム』)

●中野楓「大人になってからが面白い」(那須正幹他『ズッコケ三人組と学校の怪談』)

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特別賞

●藤田幸生「夏休みの挑戦! 〜息子と共にはじめての読書感想〜」(パトリック・スキーン・キャトリング他『チョコレートタッチ』)

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